Ryowa Professionalism

インタビュー Vol.2 めざすのは、トレンドに敏感な「センス」ある企業

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次世代の技術者に必要なのは「センス」

近年、理工系学生が減少し、若い人がモノづくりに興味を持たなくなってきているという風潮がありますが、私はそれを非常に危惧しています。モノをつくって付加価値を付け、社会に貢献していくということは、資源の少ない日本の基本スタンスだと信じています。そういうモノづくりへの貪欲さを失ってしまったら、日本の経済はきっと傾き、世界規模の競争で生き残れなくなるでしょう。

では、付加価値とはどんなことでしょうか。私の持論として、モノづくりには「センス」が必要だという考えがあります。「機能さえあればいい」という考え方は、これからの時代には通用しません。機能はもちろんのこと、そこにデザイン性なりエコの発想なり、なんらかの付加価値がない製品は売れない時代になったと思います。たとえば、弊社の「超高周波帯域透磁率測定装置」は、現在の産業のキーワードである「高速化」に早期から意識を持って取り組んできたからこそ、世界最高水準に達することができました。モバイルやIT関連の産業は今後も伸びていくと思いますし、ますます高速化が要求されるでしょう。そういった技術トレンドを踏まえた上で、我々の企業規模で、我々の持てる力でいかに貢献できるかを考えることが重要です。

ですから、次世代の技術者に求められる資質は、世の中の技術の動きに敏感で、トレンドをいち早くキャッチアップするセンスです。志の高いモノづくりをすれば、それは必ず製品のたたずまいに表れます。極端な例ですが、センスがあればビスだらけの醜い装置などをつくるはずがありません。環境にダメージが大きい製品をつくるはずもありません。弊社の担うジャンルはFA(factory automation)ですから、カスタマー向けの量産製品をつくることはありませんが、だからといってセンスをないがしろにしていると、やがてお客様は離れていきます。これからも我々は、センスを磨き続ける企業でありたいと思います。

地球環境に貢献できる事業展開

技術トレンドと言えば、今の時代、真っ先に挙げられるのはエコロジーです。弊社は環境報告書でも述べているとおり「地球環境の保護・保全」を重要な経営課題と位置づけ、ISO14001認証取得をはじめ、さまざまな形で取り組んでおります。環境配慮型製品の提供はもとより、今後の事業展開において重要視しているのはモノをつくるだけでなく「つくったモノをどう長生きさせるか」という技術です。

お客様へのアフターサービスを充実させるため、弊社は「R&M」(repair & maintenance)というチームを設立して、旧くなった生産設備機器を再生する事業を行っています。つくった製品をお客様に長くご愛顧いただけるようにと始めたことですが、それと同時に「旧くなったから廃棄する」のではなく「もう少し長く使えるようにするにはどうすればいいのか」という一種の意識改革をご提案する意図もありました。つまり、顧客満足度の追求がそのまま環境配慮の追求にもなっているのです。

ありがたいことにR&Mの技術は高い評価をいただき、お客様の好意によって競合する各社へもご紹介してくださったため、輪が大きく広がりました。現在は限定的に半導体部品の生産設備機器のみを扱っているのですが、将来は弊社の全製品についてのアフターサービスとして展開したいと考えています。

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