Ryowa Professionalism

インタビュー Vol.1 「夢」を創りだす技術者集団でありたい

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製品の「当たり外れ」をなくしたい思いから

私は若い頃から「モノづくり」にこだわって物事を考えるたちで、創業のきっかけも、そのようなこだわりから生まれました。

戦後、日本経済が立ち直りつつあった昭和20年代後半の話ですが、当時の市場に出回っていたラジオやテレビなどの電化製品にはよく「当たり外れ」がありました。たとえば同じメーカーから同じ製品を買っても、隣りの家では無事に使えるのに向かいの家では故障が多いなど、品質にばらつきがあったわけです。それを私は非常に不合理だと思いまして、そういうことをなくすにはどうすればいいのかと考えていました。

すべての製品はさまざまな部品によって組み立てられていますから、部品ひとつひとつが、いかに均一に同じ精度で仕上がっているか、それこそが当たり外れをなくすための基本です。そういうことを考えているうちに、自分の持っている電子技術を生かして日本製品の品質向上に取り組んでみたいという気持ちが芽生え、やがて凌和電子を創業し自分の思いの具現化に取り組みだしました。

「計測」と「制御」を旗印に、社会貢献を

昭和30年代後半から40年代にかけては、日本の大手電機メーカーが続々と拠点を地方に進出し始めた時代で、東北にもブラウン管や磁気テープ、半導体などさまざまな先端産業の拠点が置かれるようになりました。

電機メーカーは基本的に設備産業ですから、ラインの一部に不具合などがあると生産がストップしてしまいますね。そういう場合は関東・関西からメーカーのエンジニアを呼ぶわけですが、当時の交通事情では来るのに大変な時間がかかります。早くても1日、遅いときには2~3日もかかりました。それだけの長時間にわたって生産ラインが停止するのはメーカーにとって大きな損失であり、「なんとかいい方法はないか」と皆さんが悩んでいたのです。そこへ私が「お手伝いすることはありませんか?」と訪ねたのですから、ありがたいことに仕事はたくさんありました。まさに地元の強みです。

そんな経緯で、日本を代表する大手メーカー各社とお付き合いをさせていただくようになり、臨時のサポートをするエンジニアというだけでなく、製造や開発に関する悩みなどを気軽にご相談いただける機会が増えました。日ごろの会話の中からニーズを感じ、製品の精度を上げるために「測定する装置をつくりましょう」と提案したことから、「計測」と「制御」を旗印に掲げた現在の事業の母体が形成されたのです。

部品ひとつひとつの精度が上がり、しっかりとした品質で市場に出回るようになれば、「日本製品はいいね」とワールドワイドで大きな評価が得られます。実際に、資源もなく敗戦後間もない国が経済大国になったのは、そのようなモノづくりをしてきたからだと思っています。当時から現在に至るまで、私はそこに夢を持ち続け、私どもで取り組める分野から何らかの形で「社会に貢献できたら」と地道に取り組んできました。

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